雑学の分野ですが、面白い話だなーと思ったものを紹介したいと思います。テーマはトロッコ問題と言うものです。さっそく本題に入りたいと思います。
2つに分岐した線路があります。あなたから見て右側の線路には作業員が5名作業しています。あなたから見て左側の線路には作業員が1名作業しています。
向こうから猛スピードで電車が近づいてきているのですが、作業員達は仕事に夢中で気付きません。あなたが大声で叫んでも遠くて声が届きません。このままだと右側の5名の作業員がいる線路に列車が突っ込んでしまいます。あなたの目の前には列車の進路を変えることができるボタンがあります。ボタンを押せば列車は、作業員が1人の線路に向かうため、あなたのおかげで犠牲者を1人にすることができます。さあどうしますか?
研究結果から、この問題では多くの方がボタンを押すと答えることが分かっているそうです。
それでは次の問題です。あなたは橋の上にいます。橋の下では先程と同様に、線路で作業している方々が5名います。列車が猛スピードで走ってきますがやはり作業員達は気付きません。あなたが叫んでも声は届きません。今回は線路は分岐しておらず、列車の進路を変える手段がないため、このままでは5人の作業員に列車が突っ込んでしまいます。あなたには1つだけ選択肢があります。橋の上に大柄な男の人がいるのですがその人を橋から突き落とすことです。列車とはまだ少し距離があるため、男が橋から落ちれば列車の運転士がそれに気付いて列車を止めることができます。ただし、橋の高さは相当あり、落ちた男は助かりません。でも男を犠牲にすれば5人の作業員の命を救うことができます。
さあどうしますか?
こちらの問題では、多くの方が男を突き落とさないと答えるそうです。
トロッコ問題のその先の話
ここまでの話だと、倫理観とか正義とか、命の重さに関する投げかけといった感じですが、ちゃんとした研究がされているので、なぜ人々がこのような選択をするのかについてのオチ=答えがあります。
右脳と左脳
なぜ人々がこのような選択をするのかという答えは右脳と左脳の仕組みに関係しています。右脳とは、脳の中で感情や感覚を司っている器官です。左脳は言語や、計算など論理的な分野を司っている器官です。研究から、先ほどお話ししたトロッコ問題の前半部分であるスイッチを押して線路を切り替える問題について考えているときには左脳が働いていることが分かっています。後半部分の男を突き落とすという問題について考えているときには右脳が働いていることが分かっています。つまり、スイッチを押すという選択では冷静に犠牲者の数について考え、左脳による合理的な判断ができている、一方、男を突き落とすことについては、右脳での感情的な考えの結果、突き落とすという判断ができないということになります。
直接手を下すかどうかという点が人間にとっては問題を捉えるときの大きな違いになっているのだと思います。コンピュータなら犠牲者の数が少ない方に単純に決定しそうですよね。
実際に、そのような研究結果もあるようです。病気、ケガ等で右脳の機能に障害があるケースや右脳と左脳のやりとりが上手くできていないようなケースでは、2つのトロッコ問題に差はなく、犠牲者の少ない選択をするそうです。
寄付の合理性
少し切り口は変わりますが、トロッコ問題に関係していると思われるお話しをしたいと思います。
私は仕事柄環境問題に関わっています。環境に良いから、自分が経済的に損をしても環境に良い商品を購入したり、サービスを利用してくれたりするかというと、大抵の場合答えはノーです。そんな仕事をしていてふと思ったのが、人はなぜ寄付(募金)するのだろうと言うことです。困っている人を助けると言うのは自分に(形に見える)メリットは無いですし、一見環境問題と変わらないように思えます。でも大きな災害の時は相応の金額が集まりますよね。
これに対する答えの1つはトロッコ問題で出てきた右脳、左脳の話ではないかと思います。災害が発生して現地の様子が伝えられればそれを見ている人々の心に響き、損得ではない考え、つまり右脳で考えた行動をする。環境問題は感情に訴えるような問題ではないため、冷静な左脳で考えられてしまい、商品、サービスの価格が受け入れられない。
環境関連の商品、サービスでは環境問題で困っている動物の様子を伝えたりすれば売れ行きが良くなるのかもしれませんね。