2次試験合格者の頭の中にあった全ノウハウ(以下、全ノウハウ)はその名の通り、中小企業診断士2次試験合格のためのノウハウが凝縮されたテキストです。
毎年、試験に合格した中小企業診断士になりたてのメンバーを執筆者に加えることで、最新の情報を加筆し、製作されています。
2021年版の全ノウハウは2021年6月28日発売予定です。
全ノウハウに書かれている内容
全ノウハウの内容を簡単に紹介します。全ノウハウは下記のように大きく4つの内容から構成されています。
1、2次試験合格ノウハウ概要
2次試験合格のために必要な以下の内容について、概要が書かれています。
- 試験に取り組む際の基本的な心構え
- 与件文や設問文の読み方
- 回答の考え方や書き方
- 本番でのタイムマネジメント
- 本番での緊張対策
- 本番の持ち物
2、2次試験の解き方解説
過去2年分の試験問題を題材にし、合格ノウハウを使って与件文や設問をどのように読んで、どのように回答を考えるか、というのを具体的に解説しています。
3、2次試験合格ノウハウ詳細
2次試験合格ノウハウについて詳細が書かれています。はじめに紹介した合格ノウハウの概要に対して、こちらは細かなテクニックといった内容です。以下のような内容が書かれています。
- 与件文を読むときに気を付けるべきフレーズや内容
- 回答作成に使えるフレーズ集
- 合格者の苦手克服対策集
- 合格者のQ&A集
4、過去の出題テーマと、来年度の出題テーマ予測
過去問の分析結果から、出題された事例企業の業種や、その企業の課題、出題されたテーマなどが一覧表の形で整理されています。来年度の出題テーマ予測もされています。
全ノウハウの特徴
合格ノウハウの論理的な解説
中小企業診断士2次試験は、とらえどころのない試験と言われることがあります。とらえどころがないと言われる1番の理由が、設問で何を問いたいのかがあいまいで、何が正しい答えなのかが分からないところです。
全ノウハウでは、このとらえどころのない試験の解き方を論理的に教えてくれます。
以下に添付したのは全ノウハウの内容の抜粋です。設問の要求事項が分かりづらいとか、指示語が何を指しているのかが分かりづらいとか、対策の取りづらい困りごとに対して、どのように対処すれば良いのかがしっかりと説明されています。(内容すべては見せられないのでイメージだけ紹介しています)
受験生目線の内容
全ノウハウのもう1つの特徴は受験生目線にこだわって書かれていることです。
受験生目線の細かな説明
合格ノウハウの説明では、実際に試験を受けたからこそ分かる細かな配慮がされています。
例えば、試験の回答ノウハウの説明の際、回答としてどのような内容を書けば良いかだけでなく、「字が汚い人が気を付ける点」、「『、』や『。』の使い方」「時間配分はどうしたら良いか」、「緊張したときの考え方」など、実際に受験する際に気になる点がこと細かに説明されています。
受験生目線のリアルな困りごと
Q&A集や苦手克服法のコーナーでは、「2次試験で問題用紙は切り離した方が良いか?」、「蛍光ペンを使って解くべきか?」、「回答する際は下書きは必要か?」、「同じ年の1次試験の内容を復習すべきか?」など、受験生が心配になるリアルな困りごとと対策が書かれています。
ふぞろいな合格答案シリーズとの違い
最後に、全ノウハウとふぞろいな合格答案シリーズをどちらも知っているマニアックな方向けに両者の違いについてお話しします。
ふぞろいな合格答案シリーズは、中小企業診断士試験2次試験対策として著名な本で、全ノウハウと同じ出版社(同友館)から出版されているテキストです。
ふぞろいな合格答案シリーズは私が2次試験対策として最もおすすめする本です。
全ノウハウとふぞろいな合格答案シリーズの違いを簡単にまとめると以下のようになります。
全ノウハウ
- 2次試験合格ノウハウ、テクニックを整理して紹介
- 過去の出題傾向や今年度の出題テーマ予測
- 苦手対策やよくある疑問点を整理して紹介
- 口述試験の内容や対策の紹介
ふぞろいな合格答案シリーズ
- 独自作成した得点配分が紹介されており、自分の回答の採点が可能
- 受験生個人にフォーカスした勉強方法や試験本番の取り組みを紹介
- 受験生数名の実際の答案を紹介
全ノウハウでは、2次試験合格のノウハウ、テクニック、受験生の困りごとなどを体系的に整理していることに特徴があります。ふぞろいな合格答案シリーズでも、合格ノウハウ、テクニックは紹介されているのですが、全ノウハウほど整理した形ではなく、実際に問題を解く中で必要な内容についてのみ都度、紹介しているという感じです。
全ノウハウは参考書、ふぞろいな合格答案シリーズは演習書と考えるのが分かりやすいと思います。
ふぞろいな合格答案シリーズについては別の記事で紹介しています。