最近、LECからの広告メールで『「あがり症を克服する」ために必要なこと、それは行動を起こすこと!』という件名のものがたびたび飛んで来ます。
私はあがり症というかは分かりませんが、プレゼンなどでは人並み以上には緊張する方です。これから診断士の仕事をするのに、こういうのも知っておいたら役立つかなと思い、LECのあがり症対策講座の先生である鳥谷朝代さんの本を読んでみました。
最初に書いちゃいますが、この本は緊張しないための方法について書かれている本ではないです。(実際にはそういう内容ももちろん書かれてますが、そこが1番言いたいことじゃあないです。)でも私にはいくらか気付きがあり、読んで良かったと思いました。詳細は以下。
筆者の経歴
私が興味を持ったきっかけはここ、先生の経歴でした。筆者の鳥谷朝代さんはちょっと引いちゃうくらい、あがり症で苦労されたようです。
●中学校の時、授業で教科書の音読をした際、手や声が震えてしまうのを経験。その後は、音読の順番が回ってきそうな日は仮病で保健室に逃げ込む。
●高校で軟式テニスの部活をやるも、試合では練習でできていたことができず、緊張してミスをする。(高校での成績は良かったにもかかわらず)進学すると授業での発表があるから嫌だという理由から大学への進学を断念。
●名古屋市長秘書になるも、お客様のアテンドやお茶出し時に手が震える。「仕事に向いていない」と自分を日々、責める。
●教育委員会に異動する。人前で発言することができなかったため、司会が回ってくる日には仮病で欠席する。周りからの信用を失い、人間関係が悪化、自律神経失調症により休職。
という感じでかなり酷い時期を過ごされたようです。
しかし、ここから話し上手になったと聞くと、この方の克服方法論は真実味が出ますね!
外見では分からないが、みんな緊張している
以上のようなつらい時期を経験した筆者さんが、あがり症を克服するきっかけは、話し方講座への参加だったそうです。もっと具体的に書くと、入会した講座で、外見からは分からないのに、実はみんな緊張で悩んでいると知ったこと、それによって、「人前で話すのは嫌だ、逃げ出したい」という考えから「緊張するけど頑張ってやってみよう」と思えたことが大きな転機だったとのこと。
ここは、「なるほどなー」と思いました。実際にはそんな訳ないのですが、私もなんとなく自分以外の周りの人たちはプレゼンしたりする時に全く緊張せずにできているんだ、というように考えてしまうことがあります。それによって、「なんで自分はこんなに緊張するんだろう?」なんて悲観的になってしまうこともあります。
緊張はみんなするもの。緊張をなくすことはできない。そんなこと考える必要もない。それより、話し方を身に付けたり、発声の練習したりしようよ。
本のタイトルとは矛盾しているようにも見えますが、私は筆者の方が言いたいことはこういうことだと思いました。
本の中には、「セミナーで挨拶するのが緊張する。原稿を書いていって見ないと不安で仕方がない」という大企業の経営者の話しや、大勢の前で話すことに慣れているはずのテレビのディレクター、タレントなどでも本番前に緊張するという話し、「緊張するのは、自分が本気になっている証拠。自分自身、テレビや講演会など人前で話すときは緊張する。手が氷のように冷たくなり、心臓の鼓動が聞こえるときもある。でも、その時『緊張してきた。どうしよう。』と考えるのでなく『緊張してきた。よっしゃあー!』と考えれば良い」という松岡修造さんの話しなど、誰でも緊張しながら頑張っているんだというのを裏付けるストーリーがいくつも書かれています。
以下には、この本から得られたその他の気付きについていくつか記載しておきます。
あがる、上手く話せないのは当たり前
「私たちは、そもそも学校で読み書きは習うけど、話すということを学んでいない。大勢で話すことができないのは当たり前」
確かに。苦手だ、緊張すると言いますが、めちゃくちゃ頑張って練習している訳でもないのに人並以上に上手くできる訳はないですね。
緊張感を持って接するのがビジネスマナー
取材や打ち合わせに来た人が緊張感もなくダラダラと話す人だったら「もう二度と一緒に仕事したくないな」って思ってしまいます。
そうですね。適度な緊張感は重要。
以上、本の簡単な紹介と感想でした。
この本のボリュームとして、上記のような内容が全体の3割くらい、話し方のコツや、緊張しないためのコツ、やってはいけないことなどについての内容が7割くらいの配分ですが、私は上記の3割の部分がこの本の肝と思います。
ちなみにLECの講座はこんなのです。