学習方法(1次試験)

中小企業診断士1次試験直前期(1か月前)の学習方法

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直前期だからと言って、これまでやってきたことと大きくは変わりませんが、残された時間の少ない直前期にやるべきこと、やるべきでないことがあります。

直前期にやるべきこと

〇過去問や問題集をひたすら解く

直前期に限らず最も効率の良い学習方法です。この後お話しする内容とも被りますが、時間の無い直前期には、出題可能性の低い内容に時間をかけず、頻出の内容をしっかりと身に付けて確実に得点できるようにする取り組みが重要です。細かな点、出題可能性の低い内容を参考書で確認するような時間は減らし、過去問や問題集を解く時間を増やす方が良いです。

もちろん、過去問等を解いてみて重要な内容で分からない点があった場合は参考書を読んで確認が必要です。

〇本番形式での練習

試験の制限時間である60分や90分の時間内で過去問を解く練習をするというのは当然ですが、本番の試験スケジュールに沿った練習もやっておいた方が良いです。

60分や90分で1科目を解くのと、朝から夕方までかけて1日に4科目の試験をこなすのでは頭や体の疲れが全然違います。練習をしたからといって疲れなくなる訳ではありませんが、練習である程度は楽になりますし、自分なりの取り組み方や心構えのようなものもできてくると思います。

また、本番形式で取り組んでみることで、それまで気付かなかった思わぬ弱点等を見つけられることもあります。例えば、休憩時間の使い方やトイレに行きたくなる間隔とか。

〇頻出内容に絞って復習する

直前期には学習内容を頻出の内容に絞るべきです。時間のあるうちは、少しでも得点が伸びるよう出題可能性のあるものを網羅する学習をしてきたかもしれませんが、直前期には頭を切り替えてください。もしも学習していなかったところが出題されても2点程度のマイナスにしかならないですが、そのためにかける時間は大きく、時間対効果が小さいです。

〇中小企業経営、中小企業政策の追込み学習

丸暗記するしかない中小企業経営、中小企業政策の学習はここが追い込み時です。

この科目の悩ましいところは、古い過去問を解くのが効果的でないところです。なぜかというと法改正等により、出題内容が変わってしまうからです。学習教材として過去問は直近2~3年、加えて予備校の模試や問題集を利用するのが良いと思います。

例年難易度はそれほど高くないため、ある程度の学習をすれば合格点を取るのは難しくないです。

私の場合は過去問2年分と模試1つ、参考書のうち頻出内容だけを読みこみ、あとは移動中に通信講座のビデオを流し見で66点を取ることができました。他の科目と比べると学習に使った時間は数分の1くらいです。

直前期にやるべきでないこと

×新しい参考書を1から始める

直前期に新しい参考書を1からやりはじめて一通り学習するというのはNGです。理由は、重要でない部分も学習することになるからです。

今使っている参考書で重要な内容がどうしても分かりづらく、部分的に別の本で確認したいという場合は新しい参考書を利用しても構いません。

×参考書をパラパラ眺める

時間がない中で、これまで学習してきた内容を総復習しようとすると、この方法を取ろうという発想が出てくると思います。私も超直前期の試験前日~試験当日はこれをやってしまいました。

結果どうなったかというと、試験が始まり問題を見ると「昨日読んだところだ」とか、「さっき読んだ内容だ」という問題は出てくるのですが、あいまいな記憶のため結局正解することができません。ついさっき見たばかりなのに・・・、もうちょっとで思い出せそうなのに・・・、と試験中も試験後もあやふやな覚え方をしてしまったことを悔しく思いました。

中小企業診断士試験は問題の難易度が高く、何となく覚えているという状態では正解できません。時間がなくて参考書を全体的にパラパラ見るくらいなら、時間内にしっかりと学習できる程度まで学習内容を絞りこんで学習すべきです。

×サブノート(暗記ノート)を作る

サブノート(暗記ノート)は目と手を使っての学習になるため、五感を使って覚えた方が良いという理屈からは、優れた暗記方法と言えるのですが、書くのに時間がかかり過ぎてしまうため時間効率が悪すぎます。時間の無い直前期にノートを作り始めるのはNGです。

余談ですが、私は直前期でなくても中小企業診断士試験対策としてサブノートを作ることはおすすめしません。出題範囲が膨大なため、いちいちサブノートを作っていては時間がかかりすぎます。試験合格後も予備校講師等をされるような方はそれくらいやっても良いと思いますが、たいていの人にとっては知識を覚えるのが目的ではなく、試験合格が目的だと思うので、学習効率にも注意してください。

×出題可能性の低い内容を復習する

これはやるべきことの中に書いた、頻出内容に絞って復習すべきという内容の逆の話です。直前期には出題可能性の低い内容はバッサリ切り捨てて、出題可能性の高い内容をしっかりと覚えることに集中してください。

×苦手な内容の強化をする

苦手な内容があったとしても、直前期になったら強化するのは諦めてください。例えそれが頻出内容だったとしてもです。

この時点で苦手な頻出内容があるということは、それまで散々学習してきても修得できなかったということです。それをこれから強化するには、他の内容を学習するのに比べて多くの時間を費やさなければならないことになります。これまで述べてきたのと同様に、時間効率が悪い学習になるので、直前期に苦手な内容には手を出さない方が良いです。出題されたとしても1問、2~3点のことなので割り切っていきましょう。

 

以上、試験直前期にやるべきこと、やるべきでないこと、でした。

試験の日程が迫ってくると、学習が足りない部分が目に付き、ついついあれもこれもやりたくなってしまうと思います。しかし、何かをやるというのは、同時に他の何かをやらないという選択をしていることになります。重要でない内容に力をかけて学習しているということは、重要な内容の学習がおそろかになるということです。

重要な内容はこれまでの期間で完璧に身に付けたから大丈夫と思っている方もいるかもしれませんが、人間は忘れる生き物です。1か月前に完璧に覚えていたことでも、1か月経ってしまえば記憶はどうなっているか分かりません。直前期には重要な内容、頻出の内容を中心とした学習を意識してください。

その他 ~宿の確保~

遠方から参加する方は、試験会場が分かったら早めに宿を抑えた方が良いです。安いところや便利なところはすぐに埋まってしまいます。

中小企業診断士試験では、交通機関の遅延等での遅刻は一切認められていない(やむを得ない事情の場合は30分までは入室可能とされていますが、その分試験時間が長くなる訳ではないです)です。長期間かけて準備してきた努力をつまらないことで無駄にしないために、当日自宅から出発しても間に合うという方も、なるべく前泊した方が良いと思います。

土地勘が無い方におすすめの予約サイトはホテルズドットコムです。Google mapと連携しているため、試験会場の名前(例えば、立教大学や東芝研修センター)を入力すると、周辺のホテルが地図上に表示され、試験会場から1番近いホテルを選ぶのが簡単です。

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