ブログを書いていて、「自分の言いたいことが読んだ人にちゃんと伝わっているだろうか?」、「読みやすく書けているだろうか?」と不安になることがよくあります。何かこうやって書いたら良いというガイドラインみたいなものはないかなーと探していたところ、「パラグラフライティング」なるものを発見しました。このページではパラグラフライティングとは何か?パラグラフライティングを使った文章の書き方や、パラグラフライティングでのブログ作成についてまとめてみました。
ページタイトルのブログをパラグラフライティングで書くべきか?について、私の結論を先に言ってしまうと、厳密なパラグラフライティングはブログを書くのには不向きと感じました。ただ、取り入れられる要素はあると思います。
パラグラフライティングとは?
パラグラフライティングとは、文章の書き方の1つです。「1つの文章の塊(=パラグラフ)では1つのテーマについてだけ語る」というのが大原則です。パラグラフライティングは欧米では一般的だそうですが日本では全く馴染みがないですね。
パラグラフライティングで書いた文書というのは、例えば、
「この店のケーキは、厳選された素材を使っていることが特徴です。ショートケーキに使っているイチゴは○○県で県の品評会1位になったものを使用しています。また、スポンジに使っている小麦粉は北海道産の有機小麦を100%使っており、生クリームは北海道の大自然の中で育った牛の乳を使って、毎朝店で作られています。」
というようなものです。(私はケーキ作りについての知識が無いので、作り方についておかしな点には目をつぶってください。)
パラグラフの中で、一貫して店のケーキについて説明しており、それ以外の内容が書かれていないですよね。こういうのをパラグラフライティングと言います。
反対に悪い例を挙げてみると、
「この店のケーキは、厳選された素材を使っていることが特徴です。この店のケーキは大変人気があり、1日の来客数は多いときで200人を超えます。」
「この店のケーキは、厳選された素材を使っていることが特徴です。ショートケーキに使っているイチゴは○○県で県の品評会1位になったものを使用しています。
スポンジに使っている小麦粉は北海道産の有機小麦を100%使っており、生クリームは北海道の大自然の中で育った牛の乳を使って、毎朝店で作られています。」
という感じになります。1つ目の文章では1つのパラグラフの中に、「店のケーキの特徴が厳選された素材を使っていること」、「ケーキが人気であり、来客数が多いこと」の2つのテーマが入ってしまっていますよね。これはパラグラフライティングとしてNGです。また、2つ目の文章では、厳選された素材の紹介という1つのテーマなのに、途中でパラグラフを分けてしまっていますよね。これもNGです。(パラグラフが変わったことは改行や、改行+空白行で表現します)
パラグラフライティングの書き方
パラグラフライティングには守らなければならないルールがいくつかあります。ここでは主なルールを紹介します。
1つのパラグラフには1つのテーマだけ
これは「パラグラフライティングとは?」のところに書いた内容のことです。1つのパラグラフには1つのテーマだけ書きます。1つのパラグラフに複数のテーマを書いたり、同じテーマを複数のパラグラフに分けてはいけません。
パラグラフの先頭はそのパラグラフの結論(=トピックセンテンス)を書く
パラグラフの先頭(=はじめの1文)にはそのパラグラフの結論を書きます。そして、それに続く文で結論を補足するという書き方がパラグラフライティングの基本形です。
例えば、先ほどのケーキの文章で言うと、以下の太字にしたところがパラグラフの結論になります。結論は、「この店のケーキの特徴が厳選された素材である」ことですね。それに続く文では、厳選された素材が何であるかという詳細を補足しています。
「この店のケーキは、厳選された素材を使っていることが特徴です。ショートケーキに使っているイチゴは○○県で県の品評会1位になったものを使用しています。また、スポンジに使っている小麦粉は・・・」
このルールはちょっと分かりづらいので別の例も挙げてみます。
「この町の魚屋は売り上げが大きいです。その理由は、町に隣接するキレイな海で取れる品質の良い魚です。これらの魚はブランドが確立されており、高値で販売することができます。魚屋の売上金額を他の町と比較したとき、この町の魚屋の売上は全国第3位です。」
このパラグラフでも、「この町の魚屋の売り上げが大きい」という結論について、続く文で、売り上げが大きい理由や、具体的にどれくらいの大きさ(順位)なのかを補足説明しています。
補足説明は、結論について
- 丁寧に説明する
- 根拠を説明する
- 例を挙げる
というものがよくあるパターンになります。補足説明としては、どこまでがOKでどこまでがNGかというのはあまり厳密に考えなくて良いです。パラグラフのテーマから大きく外れなければヨシと思ってください。
ちなみに、パラグラフの先頭にある結論の1文をトピックセンテンスと呼びます。
パラグラフのトピックセンテンスだけを読んでも意味が分かるように書く
パラグラフの結論(=トピックセンテンス)だけを読んでも意味が繋がるように書きます。以下に例を挙げて説明しますが、説明するためには複数パラグラフが必要になるため、ちょっと長くなります。(私は猫にも詳しくないので内容に不備がある点についてはご了承ください)
「この店では猫がよく売れます。この店で扱っているペットは、犬、猫、鳥、魚です。このうち、売り上げのほとんどを犬、猫が占めており、中でも猫が1番よく売れています。店は20年前から営業していますが、この10年間はずっと猫の販売頭数が1位です。」
「猫が売れる理由は、その飼いやすさです。猫は犬と違い散歩がいりません。また、それほど構ってやる必要もないため、不在の多い家でも飼うことができます。」
「しかし、実際に飼ってみると思ったよりも手がかかるという声がよく聞かれます。放っておくと爪が伸びてしまうため、定期的に爪を切ってやる必要があります。また、エサの好き嫌いがあるため、好みのものを見つけてやることも必要です。」
以上の例のように、トピックセンテンス(文章の太字の部分)だけを読んでいっても意味が通じるように書きます。
「この店では猫がよく売れます。猫が売れる理由は、その飼いやすさです。しかし、実際に飼ってみると思ったよりも手がかかるという声がよく聞かれます。」こんな感じで太字の部分だけ繋げて読んでも問題なく読めますよね。
パラグラフが多い場合は、はじめにパラグラフの総論を書く
これまでは、主にパラグラフ単体についての説明をしてきましたが、ここで紹介するルールは、パラグラフを含んだ文章全体に対して適用されるものです。先ほどの猫の文を題材に説明します。
(総論)
この店では取り扱っているペットの中で猫がよく売れています。猫が売れている理由は、その飼いやすさからです。しかし、実際に飼ってみると案外手がかかるという声もよく聞かれるため、飼い始める際には注意が必要です。
「この店では猫がよく売れます。この店で扱っているペットは、犬、猫、鳥、魚です。このうち、売り上げのほとんどを犬、猫が占めており、中でも猫が1番よく売れています。店は20年前から営業していますが、この10年間はずっと猫の販売頭数が1位です。」
「猫が売れる理由は、その飼いやすさです。猫は犬と違い散歩がいりません。また、それほど構ってやる必要もないため、不在の多い家でも飼うことができます。」
「しかし、実際に飼ってみると思ったよりも手がかかるという声がよく聞かれます。放っておくと爪が伸びてしまうため、定期的に爪を切ってやる必要があります。また、エサの好き嫌いがあるため、好みのものを見つけてやることも必要です。」
このように、複数のパラグラフから構成される文章では最初に総論を書きます。そして総論の中身はそれ以降で述べるパラグラフのトピックセンテンスをまとめたものです。
ブログはパラグラフライティングで書くべきか?
私がパラグラフライティングを調べたきっかけはブログを書くのに役立てるためでしたが、パラグラフライティングの書き方を知った私の結論は、ブログはパラグラフライティングで書くべきではないというものです。そう思った主な理由は以下の3つの点です。
読み手にも、パラグラフライティングとしての読み方が求められる
パラグラフライティングで書く目的は論理的で分かりやすい文章を書くことです。ただ、分かりやすいというのは、パラグラフライティングの書き方を知っている人にとってだと感じます。この点について再度、猫の文章を例として説明します。
「この店では猫がよく売れます。この店で扱っているペットは、犬、猫、鳥、魚です。このうち、売り上げのほとんどを犬、猫が占めており、中でも猫が1番よく売れています。店は20年前から営業していますが、この10年間はずっと猫の販売頭数が1位です。」
「猫が売れる理由は、その飼いやすさです。猫は犬と違い散歩がいりません。また、それほど構ってやる必要もないため、不在の多い家でも飼うことができます。」
「しかし、実際に飼ってみると思ったよりも手がかかるという声がよく聞かれます。放っておくと爪が伸びてしまうため、定期的に爪を切ってやる必要があります。また、エサの好き嫌いがあるため、好みのものを見つけてやることも必要です。」
パラグラフライティングで書いてあると知らない人にとってはこの文章は決して読みやすくないと思います。どの点が読みづらいかと言うと、パラグラフの終わりと、次のパラグラフのつなぎの部分です。例えば、1つ目のパラグラフの終わりの部分、「この10年間はずっと・・・」というのと次のパラグラフのはじめの「猫が売れる理由は・・・」のつながりにちょっと違和感を感じませんか?パラグラフライティングでは、パラグラフが変われば話題がすっかり変わります。でも、それを理解していない人は、文章の繋がりが悪く読みにくい文章に感じてしまうと思います。
同じ内容の繰り返しになり、くどい場合がある
パラグラフライティングでは、総論にこれから書くことのまとめを書きます。そして、その後のパラグラフでは再度トピックセンテンスで同じ内容が説明されます。このように、内容が繰り返しになりくどく感じることがあります。
結論ありきは読み物としては面白くない
パラグラフライティングでは結論を書いて、詳細を補足するという決まった型で書かれます。この書き方をするのは、結論という1番伝えたいことを始めに書くことで、読者による結論の取り違えを無くして読みやすくするためですが、読み物としては面白くありません。例えるなら、推理小説で1番最初に犯人が書かれているようなものです。分かりやすいのは間違いないですが、誰もその後の話しを読まないですよね。