ちょっと仰々しいタイトルですが、ここでは2次試験を受験するまでに、こういう状態になっていたいというお話をしたいと思います。
最初は2次試験に歯が立たない
2次試験対策を始める際、何から始めるかは人それぞれあると思いますが、私の場合は過去問を解いて腕試しをしてみました。
かなり時間をかけて渾身の回答を作ったつもりだったのですが、参考書の模範解答と比べてみると、回答の方向性からして全く違っており、また、参考書を熟読しても模範解答がなぜそのような記述をしているのかが理解できませんでした。点数で言えば0点です。皆さんもはじめは似たような経験をするのではないかと思います。
慣れてくると回答の方向性パターンが掴めてくる
はじめは全く歯が立たないと感じた2次試験ですが、学習をしていくと、どのような回答をすれば良いのか、大まかに分かるようになってきます。「ここは人事制度について答えれば良いんだな」とか「顧客の関係性強化について触れるべきだな」というのが浮かんでくるようになります。
ここから更に学習を進めることで、回答の精度が高まり、得点は安定しないものの当日上手く行けば合格できるかも、というレベルに達すると思います。
2次試験までに達したい境地
受験生の中には、2次試験の問題に適応し、安定的に高得点が取れる状態になることを「悟る」という言い方をする方がいるのですが、ピッタリの表現だと思います。到達したいのはこの境地です。
2次試験を合格するためには、専門知識、読解・作文の基礎能力、解法パターンの理解等が必要なのですが、この他にも細々した要素はいくつもあり、それらを知っているだけでなく、身に付けて使える状態にする必要があります。このことについて「悟る」という表現をしているのだと思います。
この状態になると、過去問で安定して70点以上取れるようになり、「十中八九、2次試験に合格できる」と思えるようになります。
どうしたらその境地に達することができるのかという話は、教材や学習方法の話になってしまうためここではしませんが、この状態になっているかのチェックとしては、自分でファイナルペーパーを作り上げたり、他の人の作ったものに対して、「自分もそう思う」とか、「自分は違うやり方をしている。ここはこうした方が良い」等のような意見を言えること、というのが1つの目安になるのではないかと思います。このページの下の方に、受験生の時に私が作ったものを紹介しておくので見てみてください。
ファイナルペーパーって何?という方はこちらを見てください。
http://rmc-oden.com/blog/archives/101344
「ファイナルペーパー」。
私も昨年初めてききました。ちょっとググってみると、ずらっと検索結果に受験生支援団体ブログが並びます。このワーディング、診断士試験特有のようです。
ファイナル+ペーパー
初めて聞いたときは何のことかよくわかりませんでしたが、試験会場のスキマ時間でみるアンチョコのようなもの。いや、ある意味、お守りといっても過言ではありません。
私の作ったファイナルペーパーはこちらです
<全事例共通> ・冗長に感じても、設問で求められていなくても、回答には「効果」を記載する。 ・回答が全く思い付かない問題に対しては、とにかく与件文からキーワードを拾って回答する。 ・いきなり回答を書き始めない。まず、「考え」、「候補を書き出し」、「選別」した上で回答を書く。 ・問題文の言葉尻には囚われすぎないこと。 ・設問は全体で1つの流れを持っている。回答の際、先の設問を見ることで、回答に何を書いたら良いか絞れることがある。 ・『提案』のためのフレームワーク 「誰に」、「何を」、「どのように」+「その結果どのような効果が得られるか」 ・問題、課題、対策、理由を説明するためのフレームワーク 「現在(問題)」、「対策」、「効果」 ・驚くほど与件文の丸写しで点数がもらえる。回答は当たり前のようで良い。想像しすぎると失敗する。 ・問題の前提条件の内容でも加点キーワードになっていることがあるので注意すること。例えば「コスト削減のための方法を説明せよ」という問題でも、回答に「~により、コスト削減する」というように記載する。 ・「特徴を述べよ」等とあった時は「強み」や「弱み」を述べると読み替えると良い。 ・多面的な回答をすべきだが、多面的とは単に文字数が多いことじゃない。マーケティングの4P、ヒト・モノ・カネ等フレームワークを利用するなどし、要素を網羅すること ・論理的にしっかり考えると、与件文からそこまで言えないのではないかと言う内容が解答となることがあるが、基本的には書いてしまうべき。試験に引っかけ問題のようなものは少ない。 例えば、与件文で「知り合いの老人がケーキが好き」という表現がされていた時、老人はケーキが好きであるというような解答をしてしまって良い。 ・出題者の意図を汲み取る姿勢も重要。 ・診断士として助言せよの設問に対しては、「1次知識の活用」、「助言の効果まで記載」、「経営理念に沿う」ことに注意する。 ・設問、与件文から制約が何かという考え方をすることで、回答の方向性が絞れることがあるある。 |
<事例Ⅰ> ・事例Ⅰはマーケティングではなく、組織や人事に関する出題であることに気を付ける。 ・「成果主義制度」に関する解答をする際のキーワード 一体感、協調性、コンフリクト、セクショナリズム、短期志向、個人主義の弊害、家族主義経営、公平性、納得感、長期視点、若手の士気向上、高齢社員の士気低下、技術・ノウハウの伝承 ・使えるキーワード コア業務、ノンコア業務 ・経営資源はヒト、モノ、カネ、情報 ・問の1問目はSWOTの問題、S、W、O、Tの視点から考える |
<事例Ⅱ> ・使えるキーワード 試食会、工場見学、パッケージ、DM、SNS、口コミ、ロイヤルティ ・マーケティングの問題では、顧客獲得だけでなく顧客維持の視点を忘れないように ・中小企業が対象なので大きな売上や全国展開は必ずしも必要でない。それよりも顧客を放さないことが重要。 ・事例Ⅱでよく出てくるターゲットは、デモグラフィックで、シニア、子育て世代、地元住民、サイコグラフィックでこだわり志向、高付加価値を求める ・顧客関連の使えるキーワード リピート購入、顧客満足度、カンケイセイ強化 |
<事例Ⅲ> 内容が重複したようは設問で、回答も似たようなものになっても仕方のない時がある。 |
<事例Ⅳ> ・時間の許す限り計算ミスを見直す ・落ち着いて問題を読み、条件を読み落とさないよう、チェックボックスを作ってチェックする ・計算問題は簡単なものこそ見直しをし、絶対に取りこぼさないようにする ・設定があいまいな問題が出ることがあるが、あいまいな点は考えすぎず回答した方が正解ということが多い ・NPV、CFの問題では、問われているのが営業CFか、FCFかをしっかりと確認すること |