ここでは中小企業診断士の2次試験について、試験の概要から勉強方法、おすすめのテキストなどをまとめました。
2次試験は記述試験と口述試験(=面接)からなる試験ですが、このうちの記述試験が中小企業診断士試験のヤマと言われています。中小企業診断士試験の合格に数年かかっている人というのはザラですが、大半はここ、2次の記述試験で不合格になっています。
(運の要素も大きいですが)約1か月、100時間の勉強で2次試験にストレート合格できた私の勉強方法について紹介しているので是非読んでみてください。
目次 |
2次試験の概要
まずは2次試験の概要をお話しします。このあたりは試験初心者の方向けに書いているため、もう知っているという方は次の「2次試験と1次試験の違い」に進んでください。
(この後の記事で2次試験と表記している場合、対象としているのは基本的に「記述試験」のことと考えて読んでください。)
試験概要
- 試験科目:事例Ⅰ 組織、人事に関するを中心とした経営の戦略及び管理に関する事例、事例Ⅱ マーケティング、流通を中心とした経営の戦略及び管理に関する事例、事例Ⅲ 生産、技術を中心とした経営の戦略及び管理に関する事例、事例Ⅳ 財務、会計を中心とした経営の戦略及び管理に関する事例
- 試験時間:各科目とも90分
- 試験方式:記述式
- 合格基準:4科目の合計点が240点以上であり、かつ40点未満の科目が1科目も無いこと。
2次試験の合格基準は、一見1次試験と同様に見えますが、実際の合格基準は受験者の中で成績上位20%になるように得点調整されると言われています。もちろん協会から正式にアナウンスされている訳ではないですが、公表されている2次試験の合格率データを見てみると、確かに例年20%前後で推移しており、信憑性はありそうです。(合格率データについてはこの後掲載しています。)
合格基準が成績上位20%の理由としてはそれらしい根拠があります。根拠と言うのは試験合格後の実務補習の対応のためです。中小企業診断士試験は試験に合格しただけでは中小企業診断士として登録することができません。合格後に15日間の実務補習を受講する必要があります。実務補習の内容は、実際に中小企業診断士として活動されている先生が最大6名の生徒を付けて実際の診断業務を経験させるというものです。実務補習を引き受けてくれる先生の人数キャパの制約から、合格者の数も制限されてしまい、それが成績上位20%となっているようです。
2次試験の合格率
以下の表に、2次試験の受験者数と合格率をまとめました。先ほどお話ししたように、毎年およそ20%で推移していることが分かると思います。
2次試験の合格率
年 | 申込者数 | 合格率 |
平成21 | 5,489 | 17.8% |
平成22 | 4,896 | 19.5% |
平成23 | 4,142 | 19.7% |
平成24 | 5,032 | 25.0% |
平成25 | 5,078 | 18.5% |
平成26 | 5,058 | 24.3% |
平成27 | 5,130 | 19.1% |
平成28 | 4,539 | 19.2% |
平成29 | 4,453 | 19.4% |
平成30 | 4,978 | 18.8% |
出典:中小企業診断協会公表値
勉強時間
一般に、中小企業診断士試験の合格に必要な勉強時間は1,000時間と言われていますが、1次試験、2次試験それぞれで何時間必要かというのは、これだという数字がありません。ただ、私の経験や周囲の診断士仲間に聞くと100~300時間あたりに落ち着くようです。(※1年間での勉強時間です。複数年受験する場合はもっと増えます。)
2次試験と1次試験の違い
勉強方法の話しに入る前に1次試験とはここが違うというところを簡単にまとめておきます。1次試験と2次試験とでは対策のための勉強方法が全く異なるので2次試験の勉強を始める時には頭を切り替えてください。1次試験との違いは、そのまま2次試験の合格が難しい理由と言い換えても良いかもしれません。
暗記はほとんど必要ない
暗記が苦手な方には朗報です。2次試験で追加で暗記が必要な内容はほとんどありません。1次試験で覚えた知識はある程度必要になりますが、1次試験のように重箱の隅をつついたような出題はされないので、こと細かに記憶しておかなくても良いです。まあその分、別の勉強が必要になるのですが。。。詳しくはこの後の「2次試験の勉強方法」のところでお話しします。
本当の正解が誰にも分からない
2次試験は記述式の問題です。選択式の1次試験のように正解か、不正解かというのがハッキリ決まりません。また、2次試験では協会からの正式な解答も公開されません。このため、受験生は予備校やテキストの模範解答を正しいと考えて勉強するしかないんです。
中小企業診断士の2次試験は「捉えどころがない試験」と言われることがあるんですが、その理由の1つはこの、本当の正解が分からないという点です。
合格基準が成績上位者
2次試験は既定の点数を取ったら皆が合格できる試験じゃあありません。合格基準は成績上位者、という大学入試と同じ考え方です。自分の受験した年の受験生が優秀な人揃いだった場合、合格難易度が上がってしまうという恐ろしい面があります。
あと、項目としてはあえて挙げませんでしたが、科目合格制度が無いというのも1次試験との違いですね。
2次試験の勉強方法
ここからは私が実践した2次試験の勉強方法について紹介します。まずはじめに、2次試験の問題と合格のために必要な能力についてお話ししたいと思います。
2次試験はこんな問題
以下に、平成30年度の2次試験、事例Ⅰの与件文と設問の抜粋を載せました。(与件文=企業について説明されている文章、設問=「○○を100文字以内で答えよ」等のように書かれた問題文のこと、です。)
過去問を詳しく見たい人は、こちらからどうぞ。協会のホームページで公開されています。
https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html
<事例Ⅰ与件文>
A 社は、資本金 2,500 万円、売上約 12 億円のエレクトロニクス・メーカーである。役員 5 名を除く従業員数は約 50 名で、そのほとんどが正規社員である。代表取締役は、1970 年代後半に同社を立ち上げた A 社長である。現在の A 社は電子機器開発に特化し、基本的に生産を他社に委託し、販売も信頼できる複数のパートナー企業に委託している、研究開発中心の企業である。この 10 年間は売上のおよそ 6 割を、複写機の再生品や複合機内部の部品、複写機用トナーなどの消耗品が占めている。そして、残りの 4 割を、同社が受託し独自で開発している食用肉のトレーサビリティー装置、業務用 LED 照明、追尾型太陽光発電システムなど、電子機器の部品から完成品に至る多様で幅広い製品が占めている。
大手コンデンサーメーカーの技術者として経験を積んだ後、農業を主産業とする故郷に戻った A 社長は、近隣に進出していた国内大手電子メーカー向けの特注電子機器メーカー A 社を創業した。その後、同社のコアテクノロジーであるセンサー技術が評価されるようになると、主力取引先以外の大手・中堅メーカーとの共同プロジェクトへの参画が増えたこともあって、気象衛星画像データの受信機や、カメラ一体型のイメージセンサーやコントローラーなど高精度の製品開発にも取り組むことになった。もっとも、当時は売上の 8 割近くを主力取引先向け電子機器製造に依存していた。
しかし、順調に拡大してきた国内大手電子メーカーの特注電子機器事業が、1990年代初頭のバブル経済の崩壊によって急激な事業縮小を迫られると、A 社の売上も大幅に落ち込んだ。経営を足元から揺るがされることになった A 社は、農産物や加工食品などの検品装置や、発電効率を高める太陽光発電システムなど、自社技術を応用した様々な新製品開発にチャレンジせざるを得ない状況に追い込まれた。
<設問>
第 1 問(配点 20 点)
研究開発型企業である A 社が、相対的に規模の小さな市場をターゲットとしているのはなぜか。その理由を、競争戦略の視点から 100 字以内で答えよ。
第 2 問(配点 40 点)
A 社の事業展開について、以下の設問に答えよ。
(設問 1 )
A 社は創業以来、最終消費者に向けた製品開発にあまり力点を置いてこなかった。
A 社の人員構成から考えて、その理由を 100 字以内で答えよ。
(設問 2 )
A 社長は経営危機に直面した時に、それまでとは異なる考え方に立って、複写機関連製品事業に着手した。それ以前に同社が開発してきた製品の事業特性と、複写機関連製品の事業特性には、どのような違いがあるか。100 字以内で答えよ。
第 3 問(配点 20 点)
A 社の組織改編にはどのような目的があったか。100 字以内で答えよ。
第 4 問(配点 20 点)
A 社が、社員のチャレンジ精神や独創性を維持していくために、金銭的・物理的インセンティブの提供以外に、どのようなことに取り組むべきか。中小企業診断士として、100 字以内で助言せよ。
このように、2次試験では何かしらの問題を抱えた企業を題材にして、状況の分析をさせたり、アドバイスを考案させたりするような問題が出題されます。
例として事例Ⅰをとりあげましたが、事例Ⅱ、Ⅲでも出題の方向性や対策の勉強はだいたい同じです。事例Ⅳは計算主体になるため、対策は全く異なります。
2次試験の勉強をし出すと大事になるので、ついでに1つ「問題」と「課題」の違いについてお話ししておきます。
問題は「物事の悪い状態」や「目標と現状のギャップ」、課題は「目標と現状のギャップを埋めるための施策」です。試験勉強で例えると、合格点240点を取りたいのに、現状の実力が200点だとします。この場合、問題は「実力が200点であること」「実力が40点足らないこと」です。では、課題はというと、「学習時間を増やす」とか「事例Ⅳの点数アップのための勉強をする」というものになります。
普段、仕事の場などでは、問題というと悪いイメージがあるため、課題という言葉を選んでいるという場面も見られますが、診断士の試験では言葉の定義に基づいた使い分けをするように気を付けてください。
2次試験合格に必要な能力
2次試験合格のために必要な能力は以下の5つに分けることができます。
読解力、分析力(論理力)、作文力(論理力)、1次試験の専門知識、試験のクセ・特徴への対応の5つです。
読解力は、2,000~3,000字ほどの与件文から企業の置かれた状況を正しく読み取り、設問文から何を問われているのかを鋭く読み解くために必要になります。
分析力(論理力)は、事例企業を分析し、企業の置かれている状況を分析したり、アドバイスを考案するのに必要な力です。
作文力(論理力)は、設問に対して、論理的で分かりやすい文章を作成するための能力です。回答は100字以内で答えるものがほとんどであるため、小論文を書くような文章の構成力は必要ありません。短く簡潔にまとめられることが重要です。
以上の3つは中小企業診断士試験対策に特有のものではなく、一般的な能力です。中小企業診断士試験では特に高いレベルを求められる訳ではないため、普段の仕事で文章を読んだり、書いたりしているような方は特に個別の対策をする必要はなく、対策勉強を進める中で向上させていけば良いです。
1次試験の専門知識はある程度必要になります。ただし、1次試験のように用語を丸暗記するようなことは必要なく、代わりに考え方、使い方を理解していることが重要です。
例えば、1次試験の企業経営理論の科目では、モチベーション理論についての項目で「欲求5段階説」、「X理論、Y理論」、「衛生理論」等について、誰が提唱し、どのような内容なのかを暗記しておく必要がありました。これに対し2次試験で問われる能力は与件文や問題文を読解することで「従業員のモチベーションを上げることが重要である」ということに『気付く』ことや「モチベーションを上げるために具体的に何をすれば良いのか」ということを『提案できる』ことです。
5つ目に書いた、試験のクセ・特徴への対応、これが中小企業診断士試験対策の勉強で身に付けるべき1番重要な能力です。これまで説明してきた能力のうちの読解力、分析力、作文力は頭の良い人なら皆一定以上の能力を持っています。じゃあその人たちは勉強しないで合格できるかと言うと、絶対にできません。なぜかと言うと、この試験のクセ・特徴への対応ができないからです。2次試験では、問題を抱えた企業に対して、中小企業診断士として分析し、アドバイスをすることが求められます。この『中小企業診断士として』というのがポイントです。企業の問題解決の手段なんて、考え出せば無限にありますよね。でも、中小企業診断士として企業を見るという場合、基本的な考え方が決まっています。なので、たとえ頭の良い人が非常に優れた回答を書いたとしても、それが中小企業診断士としての基本的な考え方から外れている場合、不正解となってしまいます。
この後紹介している勉強方法でも、この試験のクセ・特徴への対応というところをメインにお話ししています。
2次試験の勉強法
私が実践した勉強方法について紹介します。
事例Ⅰ、Ⅱ、Ⅲの勉強方法
事例Ⅰ、Ⅱ、Ⅲの勉強方法は、
『過去問を解く』⇒『解答・解説を読んで自分の回答や考え方の間違っていた部分を把握し、解答テクニックを身に付ける』⇒『身に付けたテクニックを使い、再度過去問を解く』
の繰り返しに尽きます。これを続ける中で、試験合格のために必要な、読解力、分析力、作文力、試験のクセ・特徴への対応力を身に付けていきます。
具体的なイメージを持ってもらいたいので、初学者がやりがちな間違いと、テクニックの例を1つ紹介したいと思います。
事例企業として、中華料理屋のA社さんがあるとしましょう。「最近近くに競合の中華料理屋ができ、客がそちらに取られている。競合は駅前でのビラ配りやグルメサイトを利用した集客に力を入れている。一方、A社は経営者が高齢で、最近のIT技術にはうとい。ただし経営者の息子はインターネット関係の会社に勤めており、マーケティングの知識が豊富である。A社では自社ホームページの作成など、ITを活用した集客を検討している。」という与件文が与えられていたとします。で、設問として「中華料理屋が取るべき施策を30文字以内で1つ答えよ」というのがあったとします。
さて、この時どんな回答をしますか?ちょっと考えてみてください。
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これが100%正解と言うのはないのですが、ここで書いて欲しいのは、「ホームページ開設やグルメサイトを利用した集客の実施」のような内容です。
これを見てどう思いましたか?「与件文そのまんまじゃん。」って思いませんでした?全然違う答えを考えた人もいるでしょうし、もっと細かく具体的な施策を考えた人もいると思います。でも、中小企業診断士試験の回答はこんな感じで良いんです。
まあ例なので、かなり極端に書いてしまいましたが、ここで伝えたかったのは2次試験対策の重要なテクニックの1つである「回答は与件文に書かれていることの中から作成する」についてです。中小企業診断士試験では、与件文に書かれていない内容を補ったり創作したりしてはダメなんです。これを知らないと、あれこれ考えた挙句に検討外れの答えを書いてしまうことになります。
どうでしょう?ちょっとは2次試験対策の勉強についてイメージを持ってもらえたでしょうか?私が初めて試験問題を解いた時にやった間違いがこれだったので紹介してみました。先ほど挙げた「回答は与件文に書かれていることの中から作成する」のようなテクニックが他にも数多くあります。このような対処法を1つ1つ身に付けていくのが2次試験対策の勉強です。
身に付けるというのはテクニックを知っているだけじゃないですよ。何度も繰り返し使う中で、考えなくても使える状態になるのが目標です。『分かる』と『できる』は違うってやつですね。
あと、解答・解説が正しく丁寧に書かれているテキストを使うのも必須です。テキストについてはこの後おすすめのものを紹介しているので参考にしてください。
以下には勉強する際のポイントをいくつか紹介します。
はじめのうちは設問1問ずつ解けば良い
勉強を始めたうちは、無理して丸々1年分の4事例を解く必要はありません。1つの事例の設問1つを解いては解答・解説を読むという感じで、1問1問にしっかり丁寧に取り組んだ方が良いです。あと、最初のころは、自分の回答と正解が違っていても気にしなくて良いです。私もはじめはそうでしたが、勉強を進めればどのようなことを書けば良いかだんだん分かるようになってきます。
見つけたテクニックを書き出す
2次試験の問題に慣れてきたら、テクニック(問題を解いていて自分が大事だなと思うこと、自分が間違えやすい点など)を書き出すようにしてください。書き出すことでそれらのテクニックが明確になり、ただ問題を解くことを繰り返すよりも早く身に付けることができます。
中小企業診断士試験では試験対策のテクニックをまとめた受験生オリジナルの資料のことをファイナルペーパーと呼びます。私の作ったファイナルペーパーと、ファイナルペーパーとは何かという点についてはこちらに書きました。
過去問は繰り返し解く
1次試験と同様、過去問は繰り返し解いて、解き方を体で覚えるくらいにしてください。
解く量は私の場合、7年分を3回ずつほどでした。事例数で言うと28ですね。人によっては100事例解きましょう等と言う人もいますが、私はやたらに事例数を増やすよりも1つ1つの事例にしっかり取り組むことをおすすめします。100事例もの問題を解かないと試験傾向が分からないなんて言うなら試験に決まった傾向が無いと言ってるようなものですからね。
1回解いた問題は答えを覚えちゃうからダメだと言う意見もありますが、私はこれにも反対です。解いた翌日ならまだしも、1~2週間もあければけっこう忘れます。前に解いた時よりも適切な回答ができるようになったことを実感できれば、勉強のモチベーションアップにも繋がると思います。
あと、自分の回答のどこが悪かったかを後からも見直せるように回答はテキストに書かずに別の紙に書いて取っておくことをおすすめします。
過去問を解く場合は、AASさんのホームページで回答用紙を入手できるのでそちらを印刷するのも良いです。
https://www.aas-clover.com/testinfo/download-2
目標は合格に自信がもてる状態
2次試験は捉えどころのない試験とも言われるように、何が正解か分からないようなところはあります。でも、しっかりと対策勉強をすれば運任せではなく合格できる実力を身に付けることができます。過去問を解いてみて合格点が取れたり取れなかったり、とかイマイチ何を書いたら良いか分からないという状態ではまだ勉強が足りません。自信を持って毎回合格点が取れる状態を目指してください。
事例Ⅳの勉強方法
事例Ⅰ、Ⅱ、Ⅲと事例Ⅳの勉強方法は全く異なります。2次試験は捉えどころのない試験と言われることがあり、対策も難しい試験ですが、それは主に事例Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ対策のことを言っています。
事例Ⅳは主に財務・会計に関する計算問題が出題されます。出題内容はある程度パターン化されているため、比較的対策の勉強がしやすいです。しっかりと勉強すれば安定した得点源になると言われています。
勉強方法は対策問題をやりこんで解法パターンを身に付けることです。本番の緊張状態でもミスのないように、事例Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ以上に問題を繰り返し解くようにしてください。
例年こんな出題内容が出るというのは別にまとめたので見てみてください。平成31年以降の出題傾向について気になる点もあるため、そちらについても記載しました。
事例Ⅰ~Ⅳに共通の勉強の注意点
勉強の終盤には本番形式での勉強をすることを心がけてください。本番形式での勉強と言うのは、本番当日のスケジュールに合わせて、同じ時間、同じ順番で過去問などを解くことです。
マークシートの選択式だった1次試験と比べて、記述式の2次試験ではより頭を使いますし、緊張感も影響して本番で普段通りの力を出すことが難しいです。本番でちょっとでも普段通りに力を発揮できるよう、なるべく本番に近い勉強をして慣れておいた方が良いです。
私はこれをセルフ模試と呼び、本番までに3回くらい実施しました。かなり疲れますし、1事例解くごとに答え合わせをしたくなったりもしますが、そこはこらえて是非やってみてください。近くに会場がある方は模試の参加もおすすめです。
2次試験のおすすめテキスト
私が実際に使ったおすすめテキストを紹介します。
事例Ⅰ~Ⅳに共通のテキストとしては、「ふぞろいな合格答案」シリーズ、「2018年版 中小企業診断士2次試験合格者の頭の中にあった全ノウハウ」がおすすめです。私の2次試験対策勉強は80%がふぞろいな合格答案シリーズを繰り返し解いただけです。
私の場合、全ノウハウはふぞろいな合格答案での勉強が一通り済んでから読んだのですが、これから始める方は全ノウハウを読むことから始めた方が良いかもしれません。2次試験対策の対処法の説明はふぞろいな合格答案シリーズよりも整理されてまとまっています。ふぞろいな合格答案、全ノウハウについては個別に説明記事を書きましたので詳しくはそちらを読んでみてください。
名著「ふぞろいな合格答案」シリーズの使い方
【全ノウハウ】(2次試験合格者の頭の中にあった全ノウハウ)の紹介
上記2冊だけでは事例Ⅳ対策が不足します。事例Ⅳ対策としておすすめなのは「2018年改訂版 30日完成!事例4合格点突破 計算問題集」です。事例Ⅳ対策に必要な解法パターンが分かりやすい解説で網羅されています。
その他、私が試験対策に使用したテキストはこちらにまとめて紹介してあります。
模試
勉強がある程度進んだらなるべく模試を受けるようにしてください。模試を受ける目的は、本番前の実力チェックというのもありますが、それ以上に、会場の緊張感に慣れたり、自宅の机で問題を解いている時には気付かなかったことを発見する、という意味が大きいです。できれば会場受験するようにしてください。
試験本番で気を付けること
勉強以外に私が試験前や本番に気付いた気を付けるポイントをいくつか書きました。ちょっとしたことですが、知っているのといないのとではちょっと差がつくかもしれません。文量は少ないので空き時間にでも読んでみてください。
口述試験について
2次試験の口述試験は落とすための試験ではないので、基本的には出席すれば合格します。とは言え、内容はただのインタビューではなく、試験内容についての質問のため、何の準備もしなければさすがに落ちます。口述試験の流れや質問内容、対策方法などはこちらにまとめてあります。