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名著「ふぞろいな合格答案」シリーズの使い方

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ふぞろいな合格答案は中小企業診断士2次試験対策として受験生の間では著名な本で、非常に優れた過去問兼参考書です。独学で受験される方は絶対に取り組んで欲しいです。

私自身2次試験対策のほとんどはこの本で行いましたが、内容の素晴らしさに感動すら覚えました。

この本のおかげで2次試験に合格できましたし、これが無ければ合格できなかったでしょう。

ここでは、そんなふぞろいな合格答案シリーズの種類から特徴、使い方まで解説したいと思います。

2023年版ふぞろいな合格答案エピソード16は7月14日発売予定です。

ふぞろいな合格答案シリーズの中身の違いは?

ふぞろいな合格答案にはいくつかのシリーズがあります。

同じようなものがたくさんあってどれを買って良いか分からないという人のためにシリーズの違いについて説明します。

1、ふぞろいな合格答案

毎年新刊が発売される、ふぞろいシリーズの基本となる本です。内容としては、大きく以下の3つに分かれています。

 

「ふぞろいな答案分析」・・・1年分の過去問+模範解答+詳しい解説

「ふぞろいな再現答案」・・・その年の合格者数名の学習方法や試験問題への取り組み方、実際の回答の紹介

「特集記事」・・・ふぞろいな合格答案の使い方や、学習方法のポイントなど

 

2、ふぞろいな答案分析

「ふぞろいな合格答案」の中から、「ふぞろいな答案分析」の内容、つまり『1年分の過去問+模範解答+詳しい解説』を複数年度分抜き出して再編したものです。

3、ふぞろいな再現答案

「ふぞろいな合格答案」の中から、「ふぞろいな再現答案」の内容である、『その年の合格者数名の学習方法や試験問題への取り組み方、実際の回答の紹介』を複数年度分抜き出して再編したものです。

4、ふぞろいな合格答案10年データブック

「ふぞろいな合格答案」から「ふぞろいな答案分析」の内容である『1年分の過去問+模範解答+詳しい解説』を10年分抜き出して1冊にしたものです。

ふぞろいな合格答案シリーズの特徴

次に、ふぞろいな合格答案シリーズの特徴について説明します。

特徴1 キーワードによる採点方式

ふぞろいな合格答案シリーズでは、回答の採点をキーワード方式で行っています。どういうことかと言うと、例えば以下のような問題があったとします。

問1、ふぞろいな合格答案シリーズは中小企業診断士試験対策としてどこが優れているのか?

そして、以下のような回答をしたとします。

回答例:ふぞろいな合格答案シリーズは、丁寧な解説、合格者のリアルな実体験が書かれているという点で中小企業診断士試験対策として優れている。

キーワード方式での採点と言うのは、

「丁寧」「親切」「手厚い」という内容が書かれていれば3点

「合格者の体験」「合格者の生の声」など、経験者の体験談に関する内容が書かれていれば5点

 ということです。

この「キーワードによる採点方式」というのがふぞろいな合格答案シリーズの最大のウリです。

よくある参考書では、問題に対して、模範解答が書かれているだけです。これだと自己採点しようとしても、模範解答と同じなら100点、違っていれば0点という採点しかできず、どこをどう改善したら良いかが分かりません。

ふぞろいな合格答案シリーズでは、採点がキーワード方式なだけでなく、正解の方向性が複数ある点についてもカバーされています。どういうことかというのを再び先ほどの例題で説明すると、

「丁寧」「親切」「手厚い」という内容が書かれていれば3点

「分かりやすい」「簡潔」という内容が書かれていれば2点

「安い」「安価」という内容が書かれていれば1点

というように、切り口が特定の1種類以外でも得点できるという方式になっています。

特徴2 試験本番で作れる現実的な回答

受験生の間で、「一般的な参考書や予備校の模範解答はすご過ぎて自分で書ける気がしない」という話しを聞くことがあります。

参考書や予備校では何人もの担当者が相談し、時間をかけて渾身の模範解答を作ってくるため、そう思ってしまうのは当然だと思います。

ふぞろいな合格答案シリーズは、この点でも優れています。

キーワード採点の採点基準を作るのに使用する回答は、一般的な模範解答ではなく実際に受験した方々が試験本番の中で作った回答です。受験生が本番で作成すべきリアルな回答のお手本として参考にしやすいものだと思います。

特徴3 学習中や試験本番での思わぬ失敗を防げる

本の中にはちょっとしたコラムや各ページに柱書があるのですが、これを見ていて自分が知らなかったことに気付けることがあります。

私の場合、これを読んでいて2次試験本番で問題用紙からホッチキスを外すという作業があることを知り、慌てて対策を考えました。

このように、他の受験生の失敗談等から知らなかった情報を得ることができます。

ふぞろいな合格答案シリーズの使い方

ふぞろいな合格答案シリーズの使い方を紹介します。学習は基本的に「ふぞろいな答案分析(=1年分の過去問+模範解答+詳しい解説)」の部分を使って行います。「ふぞろいな再現答案」や特集記事については、コーヒーブレイクとして読むと良いと思います。案外面白い発見があったりしますので。

使い方

使い方として特に難しいことはなく、以下の3つを繰り返すだけです。

  • 1、ふぞろいな答案分析に掲載されている過去問を自力で解いてみる
  • 2、ふぞろいな答案分析を使って採点する
  • 3、間違った問題の振り返りをする

1、ふぞろいな答案分析に掲載されている過去問を自力で解いてみる

まずは過去問を解いてみます。ポイントは、自分の全力を出すことです。

はじめのうちは制限時間は気にしなくて良いのでじっくり時間をかけて取り組んでみてください。問題も、全てを一気に解くのが難しければ1問ずつでも良いです。

時間が足りなくて解けなかったとか、後半疲れててきとうに解いてしまったとかいう影響は排除して自分の実力を出し切ることが重要です。時間配分や疲れは慣れやテクニックで後から対処できますので。

2、ふぞろいな答案分析を使って採点する

解いた問題を採点します。慣れないと採点も悩むかもしれませんが甘めで良いので頑張って採点してみてください。

3、間違った問題の振り返りをする

ここが1番重要です。満点取れていれば振り返りは不要ですが、そうでない問題については自分の回答とふぞろいな合格答案の採点基準を比べて、「どこが違っているのか」、「なぜ違った回答を書いてしまったのか」の振り返りをします。ここはじっくり取り組んでください。特に「なぜ違った回答を書いてしまったか」を分析することが超重要です。

なぜ違った回答を書いてしまったのかを明らかにし、どうすれば良いかの対策を考え(またはふぞろいな合格答案などのテキストから答えを得て)、考えた対策を使って、再度過去問にチャレンジする。これを繰り返すことで、2次試験合格のための知識、テクニックを1つ1つ身に付けていきます。

振り返りにの対象については、勉強開始したはじめのうちは、回答の論点を大きく外してしまった問題だけにし、振り返るポイントも重要な点だけに絞って取り組むのが良いです。

最初からあまり細かい点まで気にすると時間がかかってしょうがないですし、嫌になってしまうと思います。自分の回答のレベルが上がってきたら、だんだんと細かい点にも注意して振り返り、更なる得点アップを目指しましょう!

繰り返す回数

1度だけではなく、同じ問題に2度、3度取り組んでください。答えが1つに決まっている問題でないため、答えを覚えてしまって勉強にならないということは少ないはずです。

繰り返す目的は、解答を丸暗記するためではなく、解放のパターンを体で覚えるためと考えてください。

到達目標

試験本番までに到達して欲しい目標は、過去問で安定して70点取れるようになることです。合格点は60点なので70点は少し厳しめですが、本番では実力を100%できる訳ではないですし、何度も解いた過去問では得点は高めに出てしまいます。

私は実際、ふぞろいな合格答案で自己採点で安定して70点取れる状態で2次試験にのぞみましたが、実際の得点は4科目の平均点で63点でした。

最終的にこんな状態になって受験本番にのぞんで欲しいというのも別に書いたので良ければ読んでみてください。ここに書いてあることに対して、「なるほどねー」とか「自分は違う考えで解いてる」とか言えるようになれば合格は近いです!

2次試験本番までに達したい境地

どれを買ったら良いのか?

たくさんあるふぞろいな合格答案シリーズのうち、どれを買うのが良いかを紹介します。最終的には好み次第だとは思いますが、私のおすすめは10年データブック + 直近のふぞろいな合格答案です。

この本で1番重要なのはふぞろいな答案分析の内容なので、過去のものについては10年データブックがあれば揃います。それにデータブックに入っていない直近のふぞろいな合格答案を加えれば、ふぞろいな答案分析の内容は全て手に入ります。

2020年の受験の場合は、10年データブック + ふぞろいな答案分析5 + ふぞろいな合格答案13で一通り揃いますね。

他の受験生の回答や学習方法に興味があると言う方はふぞろいな再現答案を読んでみても面白いと思います。

ふぞろいな合格答案シリーズの弱点

弱点と言うほどのことではないのですが、ふぞろいな合格答案シリーズだけでは事例Ⅳ対策としては不十分です。

事例Ⅳでは計算問題が出題されますが、本番までに解法パターンを使いこなし、計算ミスもしない状態になる必要があります。そのためには問題を数多くこなす必要があるため、ふぞろいな合格答案シリーズだけでは心もとないです。別の対策本を追加で使用した方が良いでしょう。

事例Ⅳのおすすめ参考書はこちらです。FCF、NPV、CVP分析など事例Ⅳの頻出問題の解法パターンが網羅されており、問題を解きながら身に付けることができます。解説も丁寧で分かりやすいです。

以上、「ふぞろいな合格答案」シリーズの紹介でした。

ふぞろいな合格答案シリーズは、例年1次試験終了後には品切れになっています。

1次試験合格前では気が早いと思うかもしれませんが、早めの入手をおすすめします。

最新版である、「ふぞろいな合格答案16」は2023年7月14日発売予定です。

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